砂漠の蜃気楼(詩)

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モネの庭

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木立を抜けると

視界が開ける

睡蓮の紅い花

光る水面

虫の羽音

さえずる鳥達

木々をわたる風

舞う光

五月の緑


「まさにこの季節です

 バラが咲いて

 睡蓮が開いて

 あの方向を

 この角度から」


漂う様に

彷徨う様に

池のまわりを巡る


     記憶の絵と

     どこかで重なるはず


     何もかもそろって


身をひねらせると

スルリと入り込めそうな

時空のひずみが

静かにひそんでいそうな

非日常的な時


遠い仏蘭西の

はるかに遠い時

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高知県 北川村  モネの庭
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# by kk_wako | 2015-06-15 11:11 |

高雄で

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テーブルでは旅の話に花が咲き
グラスは次々と空になっていく
頭上を異国の言葉が飛び交い
場は異空間めいていく
理解できない言葉の大群は
雑音となって通り過ぎていき
読めない文字達が
光景の一部となって
あざ笑う様に視界にあふれる

壁の張り紙が
何かを訴えるが
理解できるのは
わずか二文字だけ

回転テーブルには
食べきれない料理が並んで
並んで、並んで、並んで
これでもかと

 
連日の騒ぎに食欲も疲れ果てて
皿の上の料理を箸で持て余す
食べるでもなく
捨てるでもなく

    足下に気配が
        気のせいか?
    何かが動く
        風の様な
        羽の様な
    そっと下を向く
        丸い目と視線が合った
    言葉を解さない視線が
    遠慮がちに本能で訴える

壁の張り紙が
にわかに意味を持って飛び込んできたが
読めないのがお互いのため

    『猫』   『餌』

張り紙とは視線を合わせずに
皿の上の残り物を箸で突く
    一切れ
    二切れ
    床に落ちていき
    猫達が空腹を満たしていく

華やかなネオンが虹色にまばたき
水面に虚像を写す夜
虚と実の境目さえも
ゆらゆらと揺れて
旅先の夜

言葉よりも
文字よりも      


     *****群青、5月の課題 「残」 の参加作品です****
     
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# by kk_wako | 2014-05-31 13:31 |

花の季節

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椿も終わりに近づいて、春

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今年も四万十川に菜の花が咲いた   
             (2014.3.22)

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桜の花もチラホラ咲いて

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穏やかな春の日々

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通りすがりの庭を眺めて

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神社に寄り道をして

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花を求めて気が向くままに
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# by kk_wako | 2014-03-30 12:17 | 日々の出来事

夕日に染まって

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買物袋を両手に下げて
部屋のドアを蹴飛ばす
隅のホコリが舞い上がる
日はすでに傾いて
ベランダでは洗濯物が
夕日に染まってはためく

もうエネルギーは残っていない
残の表示が赤になって
忙しく点滅をしている

猫の手!
よりもましな
ル・・・・・・
ほら、噂に聞いたお掃除ロボット
ル・・・何とか言ったが
ぬるま湯の日々にふやけた頭では
すぐには思い出せない

      ねぇ、あなたは融通がきくの?
      隅までできる?
      すき間は大丈夫?
      落ちたピアスと綿ぼこりの違いを
      即座に判断できる?
      ねぇ、従順な石頭のロボット君

この賢いロボットは
平和な居間を彷徨うために
わざわざ開発されたのではないと知って
思考は青ざめて立ち尽くす

その進化の過程を遡ると
舞い上がる部屋の埃さえ
平和の象徴に見えてくる

      「一億個の地雷に向かって
       戦え!
       探して、破壊せよ」
       と、

      遠いどこかの国の
      ピアスも綿ぼこりも落ちていない荒野で
      土埃にまみれて

ベランダでは洗濯物がゆれて
居間が夕日に染まっていく
      紅い爆風が
      頬をかすめる
遠いどこかの国の
寒々しい荒野とダブるが
すぐに消えていった
平和にどっぷりと浸かった頭には
居間と荒野の距離さえつかめな
 
      知らないだけで
      すぐそこかも知れない
      

夕闇に舞うホコリに感謝しつつ
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# by kk_wako | 2014-03-09 15:27 |

日向ぼっこ

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フワフワの縞模様に

そっと触れてみたいけど

   

     
     これ以上近づいたら

     ダッシュで逃げるョ



距離を保って

眺めるだけにした


そんな関係もまた
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# by kk_wako | 2014-02-19 11:17 | 日々の出来事

老姉妹

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   Ⅰ

枯枝の様な手を撫でても
白く冷たい頬にそっと触れても
話しかけても
肩を揺らしても
眠るばかり

    寝たの?
    私も休むね

半分ずれ落ちたカーテンの間を
真冬の白い月が上がっていく
淡い光があたりを包む夜
かつて笑いが渦巻いた部屋の記憶は
ひとつひとつ消えていって
見知らぬ空間になっていく
冷たくよそよそしい空間に

    ねぇ
    朝

日が昇って
鳥がさえずり始めて
冬のやさしいお日様が
窓辺に柔らかく光を投げかけても
彼女にはとどいていない
壁のカレンダーは色褪せて
今日も昨日と同じ日
『今』が延々と続く

    冷たい手
    私の手より冷たい

東の空から
異様に明るいシリウスが昇って
位置を移しながら時を告げても
彼女には何の意味も持たない
止まった時に佇んで
ここから動く事などできない

    起きて!
    目を開けて!

       Ⅱ

司法解剖の書類が
結果を伝える
涙もなく
すすり泣きもなく

    死後二日経過
    [死因]
    老衰、栄養失調

生垣のむこうの建物は
すぐそこにあるけれど
深い深い森の中
大通りの騒音も届かず
人の声さえ滅多には

入る意思がなければ入れず
出る意思がなければ出られず

    手が届かなかったのか
    
    手を払いのけたのか

    ・・・今となっては

何十ものゴミ袋
積み重ねられた段ボール箱
年月が運び出されていく
それを
悲しみの感情を失って久しい老女が
無表情で見送る
    
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# by kk_wako | 2014-02-08 14:35 |

蠟梅

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     咲き始めの蠟梅が

     薄いプラスチックの様な花弁をふるわせながら

     数輪

     冷たい風にさらされて
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# by kk_wako | 2014-01-24 16:52 | 日々の出来事
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詩の作品倉庫、日々の出来事


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