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砂漠の蜃気楼(詩)

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小さな悲しみ

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視界の端を

何かがかすめたので

通り過ぎてから

引き返した

国道脇のアスファルトの上で

まだ嘴が黄色い雀のヒナが

目を閉じて横たわる

    
      この世に何日いたのだろうか

      空を飛ぶ事もなく

      枝に並んでさえずる事もなく

      土に還ろうとしている

    
      せめて土の上に


小さな悲しみのエネルギーが

渦巻いて

消えていった

小さな悲しみ_e0293112_744051.jpg

   
# by kk_wako | 2013-06-02 07:50 | 日々の出来事

姫路バラ園

バラが満開でした
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敷地はそう広くはないけれど
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800種 3500株のバラが見頃で
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とってもきれいでした
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特に春のバラは♪
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   姫路ばら園    春 5月~ 6月  9:30~17:00
            秋10月~11月  100:00~16:30
            
            入園料  大人   500円
                 小学生  300円

            http://www.himejibaraen.com   
# by kk_wako | 2013-05-25 16:35 | 日々の出来事

雨の日に

雨の日に_e0293112_13143922.jpg
アスファルトの上で

雨粒をポロポロとはじく羽根

雨の路上で

黒い羽根を拾った

少しくたびれて

けば立ち気味の羽根

     察するにあなたは

     立派な体格のカラスさん

     きっとこれは

     大切な部位の羽根

     何があったの?

        エサ場争いに負けたのか

        恋のバトルに敗れたのか

大切な羽根を

眺めながら帰る

きっとニコニコしていたに違いない



鳥だった羽根は

飛べないけれど

飛ぶ楽しさを知っている羽根



眺めていると

触れていると

楽しさが伝わって

     風を切って

     思うままに

     飛行機の高さではない空を

     飛行機の速度ではない速さで



机の上には

鳥だった羽根が
# by kk_wako | 2013-05-18 13:15 | 日々の出来事

5月は

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規則正しい呼吸音
上下する小さな胸
閉じたまぶたが
時々ピクリと動く
乾いた唇を少し開いて

    新緑の季節になると
    決まって熱を出す

    遠い昔が重なる
       大丈夫
       静かに寝てなさい
       目が覚めたら元気になってるから

一刻も早く熱が下がる様にと
そればかりを
    
    大丈夫よ
    横にいるから
    もうすぐお薬が効いてくるよ

寝息を聞きながら
ウトウトとまどろむ

輝く5月は魔の季節



私はあなたの
ママのママのママのママまで知っているけれど
あなたは一体どこから来たの?

    厳しいダーウィンも苦笑いするしかない結果
       進化か退化か突然変異か
       それとも単なるイタズラか

       このオチャメな7才児は
       この小さなおサルの末裔は
       人も振り向くお嬢さんに脱皮するのだろうか
       思わずお尻を撫でてみる
       どうやらシッポは置いてきたらしい

私はあなたの
パパのパパまで知っているけれど
あなたは一体どこから来たの?
    真面目なメンデルも冷や汗モノの現実が
       法則も確率も例外も
       どこにどう作用したのやら

       その複雑な組み合わせは
       エンドウ豆どころの比ではない
       隔世遺伝か伴性遺伝か
       それとも神様の気紛れか

       あなたは一体誰に似たの?


黙々と進化の階段をかけ上がって
    転げ落ちずに
    踏み外さずに
延々とはるかここまで
    気が遠くなる程の歳月かけて
    今、ここで


枕を並べて寝る破目に

    扁桃腺の問題は
    シッカリと遺伝をしたらしい
    新緑の季節が来ると
    ・・・決まって

輝く5月は魔の季節  



******群青5月の課題、漢字一文字【緑】をテーマに書いた作品です****
# by kk_wako | 2013-05-11 09:40 |

私達は

私達は_e0293112_97439.jpg
「これが最後ね」

静脈の浮き出た枯枝の様な手で
春の風に乱れる白髪を押さえて

    何回の春が通りすぎていっただろう
    様々な春が走馬灯の様に

       まるで契約を更新でもする様に
       終わりの始まりを春から刻み始める
       桜の花が咲く頃から

いつの頃からか?

いつの頃からか
立場は逆転して
ふと気づく
    言われ続けてきた言葉が
    口をついて出る
    まるで幼児に言い聞かせる様に
    自分に言い聞かせる様に

    子供のふりして
    何の心配事もない顔で
    甘えさえ漂わせて

「そんな事ないわ
 大丈夫よ
 また来年も一緒に来よう」

言葉には何の根拠もないけれど
これまでそうだったから
きっと次の春もそうだろうと
空約束の様な言葉が口をつく
    現実を直視する自分を
    見通しの暗い現実を直視する自分を
    まるで他人の様に見つめながら

春が来れば桜は咲いて
あなたがいなくても
私がいなくても

今日と同じ明日が       



****群青4月の課題、漢字一文字【始】をテーマに書いた詩です****
# by kk_wako | 2013-05-11 09:11 |
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